銀行口座の相続手続き|凍結と仮払い制度

故人名義の預貯金口座は、金融機関に死亡を伝えると凍結され、引き出しや引き落としができなくなります。凍結後の払い戻しは相続手続依頼書と戸籍一式を提出して行う流れ、必要書類、生活費や葬儀費用に困るときに使える仮払い制度(1金融機関150万円まで)まで、口座を相続するための手順をわかりやすく順番に整理します。

この記事の結論

口座凍結後の払い戻しは、相続手続依頼書と戸籍一式を提出して行います。生活費に困る場合は仮払い制度(150万円まで)を利用できます。

更新日
2026-06-22
期限
速やかに
対象者
故人名義の預貯金がある相続人
手続き先
各金融機関
必要書類
相続手続依頼書(各行所定)、被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人全員の戸籍、遺産分割協議書または遺言書、相続人全員の印鑑証明書

編集方針

本記事は、法務省・国税庁・厚生労働省・日本年金機構・全国健康保険協会・各市区町村の公式情報を引用源として、死後ナビ編集部が中立的に整理しました。 記事内の数値・期限・必要書類は、ページ末尾の「参照した公式情報」に記載した一次情報をご確認のうえ、最終的な手続き判断は役所・法務局・税務署・弁護士・司法書士・税理士などの専門家に必ずご確認ください。

口座凍結の仕組みとタイミング

預貯金口座は、金融機関が名義人の死亡を把握した時点で取引が停止(凍結)されます。これは、相続人の一人が無断で預金を引き出して他の相続人との間でトラブルになることを防ぐための扱いです。家族が死亡を連絡しなくても、新聞のお悔やみ欄や保険会社経由で把握されることがあります。凍結されると入金・出金・口座振替・ATM利用がすべて止まります。

凍結前にやっておくべきこと

  • 通帳・キャッシュカード・届出印の所在を確認
  • 残高・取引履歴の記録(相続税・遺産分割の資料になる)
  • 公共料金・年金・保険料などの自動振込・引き落とし先を一覧化
  • 引き落とし先を故人口座にしている契約は、別口座・カードへの切替準備

葬儀費用・生活費に困るとき(仮払い制度)

方法・上限・手続き先の対応表
方法上限手続き先
金融機関の窓口での単独請求(民法909条の2)預貯金額 × 1/3 × 法定相続分、1金融機関150万円まで各金融機関
家庭裁判所の保全処分(仮分割の仮処分)上記を超える額(必要性の疎明が必要)家庭裁判所

相続手続きの流れ

  1. 金融機関に死亡を連絡し、口座を凍結
  2. 相続手続依頼書を取り寄せる
  3. 戸籍・遺産分割協議書(または遺言書)・印鑑証明書を揃える
  4. 依頼書を提出し、払い戻しまたは名義変更を実行

必要書類(遺言書がない場合の一例)

  • 相続手続依頼書(各金融機関所定の様式)
  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍(または法定相続情報一覧図)
  • 相続人全員の現在戸籍
  • 遺産分割協議書または遺言書
  • 相続人全員の印鑑証明書

よくある失敗・注意点

  • 相続放棄を検討中なのに預金を引き出して使ってしまい、単純承認とみなされる恐れがある
  • 引き落とし先の切替を忘れ、公共料金や家賃の支払いが滞る
  • 金融機関ごとに様式・必要書類が異なるため、複数行を並行で進めず時間がかかる

次にやること

よくある質問

凍結はいつから始まりますか
金融機関が死亡を把握した時点(家族からの申告、新聞記事、保険会社からの情報など)で凍結されます。死亡届の提出で自動的に凍結されるわけではありません。
仮払い制度はいくらまで使えますか
民法第909条の2に基づき、金融機関の窓口で単独請求できるのは「相続開始時の預貯金額 × 1/3 × その相続人の法定相続分」で、1金融機関あたり150万円が上限です。これを超える額が必要な場合は、家庭裁判所の保全処分(仮分割の仮処分)による方法があります。生活費・葬儀費用に充当できます。
手続きにかかる期間は
書類が揃ってから2〜4週間程度。複数の金融機関を並行進行すると効率的です。
凍結された口座から公共料金などの引き落としは続きますか
凍結後は入出金・口座振替が止まります。電気・ガス・水道・通信などの自動引き落としを故人口座にしていた場合は支払いが滞るため、早めに支払方法を別口座やクレジットカードに切り替えます。

出典

このページの更新日: 2026-06-22