死後にやってはいけないこと|相続放棄前の財産処分・口座操作の落とし穴

家族が亡くなった直後にやってはいけないことを整理します。相続放棄の検討中の財産処分や預金引き出しは、民法921条の「相続財産の処分」とみなされ相続放棄ができなくなる場合があります。デジタル遺品の早すぎる解約、遺品の処分、年金の過誤受給の注意点や、「死亡届で口座が凍結される」などのよくある誤解も公式情報をもとに正します。

この記事の結論

相続放棄や限定承認を検討している間は、故人の預金を使う・財産や遺品を処分する・サブスクやカードを解約するなどの行為を避けます。これらは民法921条の「相続財産の処分」とみなされ、相続放棄ができなくなる場合があります。判断に迷う手続きは保留し、期限のある届出だけを先に済ませて、財産調査と相続方針が固まってから整理に進むのが安全です。

更新日
2026-06-22
対象者
家族が亡くなった直後で、何を先に進め何を避けるべきか迷っている遺族・相続人

編集方針

本記事は、法務省・国税庁・厚生労働省・日本年金機構・全国健康保険協会・各市区町村の公式情報を引用源として、死後ナビ編集部が中立的に整理しました。 記事内の数値・期限・必要書類は、ページ末尾の「参照した公式情報」に記載した一次情報をご確認のうえ、最終的な手続き判断は役所・法務局・税務署・弁護士・司法書士・税理士などの専門家に必ずご確認ください。

相続放棄を検討しているか 検討している 解約・退会・データ削除・ 遺品や預金の処分はしない 処分=単純承認の恐れ(民法921条) 検討していない 解約・名義変更・整理を 通常どおり進めてよい いずれの場合も、期限のある死亡届・火葬許可は先に済ませる
相続放棄を検討している間は、解約・退会・データ削除・遺品や預金の処分を避けます。検討していなければ通常どおり進めて構いません。いずれの場合も期限のある死亡届は先に。

死後すぐにやってはいけないこと

  • 故人の預金を引き出して生活費や債務の弁済に使う(単純承認とみなされる恐れ)
  • 不動産・株式・自動車などの名義変更や売却を急ぐ
  • サブスク・クレジットカードの解約や退会を相続方針が決まる前に進める(/procedure/digital-legacy/ 参照)
  • 形見以上の遺品を処分・廃棄する/スマホを初期化する
  • 債権者に一部だけ返済する

よくある誤解

よくある誤解・実際の対応表
よくある誤解実際
市区町村に死亡届を出すと口座が凍結される死亡届と口座凍結は連動しない。遺族・相続人が金融機関へ連絡した時点で凍結される
葬祭費・埋葬料は自動で振り込まれる原則は申請が必要(おくやみ窓口で口座登録すれば自動振込の自治体もある)
年金は亡くなった月まで自動で止まる年金受給権者死亡届の提出が必要。未支給年金は別途請求する
相続放棄すれば何もしなくてよい家庭裁判所への申述が必要。期限は相続を知った日から3か月

口座まわりで先に確認すること

口座が凍結されると引き落としが止まり、公共料金の未払いが発生することがあります。凍結前に引き落とし先(電気・ガス・水道・通信)を把握し、名義変更や支払方法の変更先を整理してください。葬儀費用などで当面の資金が必要な場合は、/procedure/bank-account/ の口座凍結と仮払い制度の解説を確認します。

次にやること

よくある質問

死亡届を出すと銀行口座は自動で凍結されますか
いいえ。市区町村への死亡届と銀行口座の凍結は連動していません。口座は、遺族や相続人が金融機関へ死亡を連絡した時点で凍結されるのが一般的です。凍結前後で必要な手続きが変わるため、引き落とし中の公共料金や、葬儀費用の仮払いの要否を先に整理してください。
相続放棄を考えている場合、故人のサブスクは解約してよいですか
解約前に慎重に判断してください。サブスクやクレジットカードの解約・退会は、ケースによっては民法921条の「相続財産の処分」とみなされ、相続放棄ができなくなる恐れがあります。月額料金がかかり続けても、まず財産・債務の調査と相続方針の確定を優先するのが安全です。
故人の預金で葬儀費用を払っても大丈夫ですか
相続放棄を検討している場合は特に注意が必要です。社会通念上相当な葬儀費用の支払いは処分行為に当たらないと解される例もありますが、線引きは個別判断です。預金を生活費や債務の弁済に使うと単純承認とみなされる恐れがあるため、迷う場合は使う前に専門家へ確認してください。

出典

このページの更新日: 2026-06-22